前回の記事では転職したら行うことリストについて書きました。
主に大事な期間の最初の3日間、30日間でやることをまとめました。
今回は専門商社の営業の仕事内容を解説していきます。
私は専門商社に3年間営業として勤務しました。
輸入した製品を国内向けに販売することが主な仕事でしたが
詳しく仕事内容を解説します。
専門商社に興味がある方の理解が少しでも深まれば幸いです。
営業活動
既存顧客向け
営業活動は新規営業と既存営業に分かれますが
既存顧客向けが営業活動の6割程度を占めました。
特に私のいた会社は既存営業の営業先として
- 取引のある代理店
- 取引のあるエンドユーザ
この2つがありました。
2つの営業の大きな違いは
売ってもらうようにするのか、売れるようにするか
です。
代理店向けの営業活動
代理店での取り扱い量をいかに増やしてもらうか、
その代理店で自社製品を販売してもらえるような
関係構築や施策を実行して行くことがメインになります。
担当者だけでなく、役職クラスとも深い信頼関係を築き、
代理店における自社製品のシェア拡大を担う活動です。
やり遂げるために、
どうしたら自社を売ってもらえるか、
どのように関係を築くのかと悩むことになります。
得られるスキルとしては
- 深い関係構築スキル
- 代理店のシェア拡大のための分析力や施策立案の力
が挙げられます。
エンドユーザ向けの営業
エンドユーザ向けにも新規営業と既存営業があります。
既存営業はすでに利用してもらっているユーザの中で
さらに自社製品を購入してもらえるように活動していきます。
新規営業は多くの方が想像されるような営業となります。
展示会や講習会、問い合わせなどからリストを作成し、
アポイントを取り、訪問、契約まで行う業務
実際に私は1年目の時、顧客リストに電話を掛け、訪問し、
成果を持って帰るということを2ヶ月で100件程行いました。
最初はサンプル依頼やカタログを渡すだけと言ったものですが、
慣れてくると商談を行えるようになり、成約もできるようになります。
きついと思うかもしれませんが、
これだけ実践経験を積み、トライアンドエラーを繰り返せば
あっという間に基礎的な部分は学べると思います。
既存営業だけでは売上は思うように上がっていかないと思います。
この新規の営業でどれだけ成果を上げれるかが目標達成に直接影響します。
もちろん自分も目標の中で既存営業部分でどれだけ見込めるか
残りの新規がどれだけのウェイトを占めるかバランスを見極めることも大事です。
調整業務
商社全て、売上の基本的な仕組みは同じです。
メーカーから仕入れ、仕入れ価格より高く販売した
そのマージンで売上を上げていきます。
薄利多売とも言われますが、基本はこの形で売上を伸ばしていきます。
近年はここにコンサル業務などの付加価値をつけ
モノではない価値提供で利益率の改善を図っています。
上記のようにメーカと顧客の間に入ることから
少なくとも2社(メーカとユーザ)を調整する業務が発生します。
調整内容は例えば
- いかに安く仕入れ高く売るかの両者との価格交渉
- ユーザ希望に合わせるための仕様調整
- 納期調整
が挙げられます。
2社間の調整はほぼ毎回の案件で行うことになります。
また、扱う商材や業界によっては
さらに多くの関係者を調整することになります。
私の場合は1つのプロジェクトで最大5社の調整業務を経験しました。
(ユーザ、メーカ、工事会社、デザイン会社、運送会社)
このように専門商社の営業では多くの調整業務が発生します。
商社ではこのような調整業務が当たり前に多くあるため
新卒の頃から経験を積むことができます。
商材の発掘・メーカとの交渉
専門商社の営業である以上その業界・製品に精通していることは前提になります。
その上で、新規商材を探したり、
新規で取り扱いしたいメーカとの交渉も行える企業もあるでしょう。
私がいた専門商社は取り扱い商材が海外メーカのみでしたので
英語やフランス語を駆使する機会もそれなりにありました。
外国語スキルを活かしたい仕事を探しているのであれば
こういった輸入専門商社を見るのもいいと思います。
マーケティングに近い内容で華のある業務ですが、
実際はかなり地道で営業の売上とは違う責任が伴います。
製品のターゲット、予想売上、調達交渉など
コツコツとデータを集め、そこから論理立ててストーリーを作り、
上層部を納得させ、代理店にも販売してもらうようにアナウンスする
といった業務があります。
大企業であれば分業ですが、中小であれば営業が一貫して関係することができます。
代理店営業と新規ユーザ向け営業を経験するメリット
私は新卒で専門商社の営業を経験して良かったと思っています。
その理由として
- モノがユーザに届く商流の全体像を理解できる
- 代理店とユーザ向け両方の営業を経験できる
- 社会人として必要な調整業務を経験できる
このような経験・スキルを得られるからです。
上記全て、どの業界に行こうとも必要な知識やスキルです。
新卒からこれらのスキルを得ることはその後のキャリアでも役に立ちます。
特に第二新卒での転職では差をつけやすくなります。
この記事で専門商社営業の業務内容の理解が深まれば幸いです。